(医院経営)自費率40%を超えている歯科医院の3つの特徴

多くの歯科医院にとって、安定した経営を実現するためには、自費率の向上が重要なカギとなります。特に、自費率40%超えは一つの大きな目標として設定されることが多く、これを達成することで医院の収益は大幅に向上し、患者さんにとっても質の高い治療提供が可能になります。

しかし現状では、多くの医院が自費率10%から20%程度に留まっており、40%を超える医院はまだ限られています。この目標を達成するためには、従来の歯科医院経営を見直し、特定の仕組みや戦略を取り入れることが不可欠です。

本記事では、自費率40%超えを実現した医院に共通するポイントを解説し、具体的な取り組み方を紹介していきます。

大森技工所メディア事業部 監修

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目次

自費率40%を超えている医院はごく僅か?

歯科医院の経営において「自費率」は利益確保の要ですが、実際には多くの歯科医院が自費率向上に苦労しているという現実があります。直近の平均自費率でも、個人で15%程度、医療法人で20-25%となっており、まだまだ多くの医院が30%未満となっています。

参考:歯科開業トピックス「医療経済実態調査からみた歯科医院の収益推移【2023年度版】」

別の調査では、全国的に自費率40%を超える医院は4分の1にとどまり、半数以上は20%以下です。この現実は「従来通り」の運営では高い自費率を達成することが難しいことを示唆しています。自費率を高めるためには、従来の経営手法を見直し、戦略的な取り組みが求められます。

参考:WHITE CROSS「歯科医師116人に聞いた歯科医院の自費率」

自費率UPに必要なステップとは?

自費率の向上には、段階的なアプローチが効果的です。

普段から、次の段階ではどのような施策が必要となるのかを意識しておくことも自費率の向上に寄与するでしょう。

30%達成まで

  • 初診/セカンドカウンセリングの定着
  • 補綴コンサルの確立

40-50%達成に向けて

  • インプラント治療の充実
  • 矯正治療の導入
  • TCの更なる育成

70%以上を目指して

  • 強力なブランディング戦略
  • 効果的なホームページ作成
  • 紹介システムの確立

自費率40%超えを達成している医院の特徴

それでは早速、自費率40%を達成している歯科医院によく見られる特徴を3つ解説していきましょう。

特徴1:正確な患者選別ができている

自費率40%を超えるためにまず重要なのは、徹底したカウンセリングによる患者様のスクリーニングです。自費率が30%前後まできている歯科医院であれば、初診時に必ずカウンセリングを行っていると思いますが、患者様のモチベーションやニーズを十分に理解せずに、先入観で情報提供を制限してしまう先生がいらっしゃいます。

たとえば、経済的な背景や家庭環境から「この患者さんには自費治療を勧めても難しいだろう」と考えてしまうケースや、入っている補綴は保険ばっかりだから「この患者さんに補綴コンサルやっても無駄だよね」と決めつけてしまうケースなどです。しかし、治療の選択権は患者様にあるため、先入観にとらわれず全ての患者様に必要な治療についての説明を行う姿勢が重要です。

また、徹底したカウンセリングには患者のモチベーションを引き出す効果も期待できます。初期治療や口腔ケアの重要性をしっかりと説明することで、患者様が治療に対して前向きな姿勢を持つようになります。資料を使って治療の流れや予後について具体的に説明することで、患者様は自身の健康維持のために長期的に通院することに意義を見出していただけるかもしれません。こうしたモチベーションの高い患者様を増やすことも、自費率の向上には欠かせません。

特徴2:インプラント・矯正治療が内製化できている

自費率40%を超えるためには、やはりインプラントや矯正治療を自分の医院で内製化できるかがポイントとなります。逆に言うと、補綴だけで自費率40%を超えると言うのはかなり難しいです。

特に、難症例への対応力がある医院は患者様の信頼を得やすく、自費率の向上に貢献します。他院で対応できない骨造成が必要なケースや、特殊な矯正技術を必要とする症例も、自院で治療できるようにすることで「難しい治療にも対応できる歯科医院」というブランディングが強化され、患者様からの相談件数も増加します。また、マウスピース矯正や小児矯正といった多様なニーズに応えることで、幅広い患者層へのアプローチが可能になります。

インプラントや矯正治療を院長自身が行えることも、収益性の面で大きな利点です。多くの歯科医院では外部の矯正医を招いて治療を行うケースもありますが、その場合は報酬の一部を外部医師に支払う必要があり、利益が圧迫される可能性もあります。院長自身が矯正技術を習得し、自院で対応できるようにすることで、売上だけでなく利益率も向上させることができます。

特徴3:高いスキルを持つTCがいる

自費率を40%超に引き上げるためには、TC(トリートメントコーディネーター)のスキル向上が欠かせません。TCは患者様に対して治療内容を分かりやすく説明し、安心して治療を受けてもらうための重要な役割を担っています。TCのスキルが高ければ高いほど、患者様との信頼関係が深まり、自費治療への移行がスムーズになります。

特に、自費率の高い医院では、インプラント治療や矯正治療といった高額治療をTCが提案・説明できるかどうかが成果を分けます。TCが治療内容やメリットを丁寧に説明できることで、患者様が納得した上で治療に取り組める環境が整います。例えば、補綴コンサルティングや複数歯の治療提案、さらには欠損コンサルまでTCが対応できるスキルがあれば、ドクターは治療に専念でき、医院全体の効率も上がります。

従って、TCの知識面を充実させるための教育体制も必要でしょう。自費率が40%を超えている医院の多くでは院内勉強会が導入されています。簡単なレントゲン読影や治療方針の説明ができるレベルまで知識を高めることが目標とされています。こうしたスキルが身についたTCは、治療内容や自費治療のメリットを的確に説明できるため、患者様も安心して高額な治療を選択できるようになり、結果として自費率が大きく向上する効果が期待できます。

まとめ

自費率40%を超える歯科医院に共通する3つの特徴を解説しました。

  • 患者に対してどんな治療選択肢も公平に説明し、偏見や先入観なく治療の可能性を示す姿勢を徹底している。
  • インプラントや矯正治療といった高度な技術を駆使し、患者の幅広いニーズに応える診療体制を整えている。
  • 患者が治療内容を理解し、安心して選択できるようなサポートができるTCが在籍している。

もちろん他にも自費率の向上に関わる要素はありますが、現在自費率が伸び悩んでいる歯科医院には、まずこの3つを見直していただければと思います。

但し、自費診療の「割合」を増やすことだけに捉われていてはいけません。自費の割合が高くても利益率が低いとなると、医院経営としては上手くいっているとは言えません。自費率の向上とともに、自費診療の利益率を意識したコスト削減にも目を向けてみてはいかがでしょうか。格安デジタル技工の大森技工所では、業界初の初回返金保証付きの自費補綴を提供しています。他店との価格対抗も承っておりますので、是非お気軽にお問い合わせください。

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