最新統計データで見るインレー市場の動向【CAD/CAMインレー】

歯冠修復時のインレーと言えば、従来は「金銀パラジウム合金(いわゆる銀歯)」が多く使われてきましたが、2022年にCAD/CAMインレーが保険適用となり、素材の選択肢が1つ増えることになりました。

今回は、厚生労働省の統計データ(※)を踏まえた上で、CAD/CAMインレーの保険収載以降、実際のインレー市場にはどのような変化が起きているのかを詳しく解説していきます。

※社会医療診療行為別統計

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大森技工所メディア事業部 監修

当社では、デジタル技工関連以外にもさまざまなお役立ちコンテンツを作成・提供させていただいております。歯科開業や医院経営において、何かお困り事など御座いましたら、お気軽にご相談ください。

目次

歯冠修復インレーの素材別動向

インレー材料のシェア推移

厚生労働省が毎年6月に公表している「社会医療診療行為別統計」によると、2019年には歯冠修復におけるインレー材料の約90%を占めていた金パラの割合が、2023年時点には約70%まで減少していることが分かります。

金属歯冠修復(金パラ・銀合金):約64万回

非金属歯冠修復(レジン):約2.4万回

金属歯冠修復(金パラ・銀合金):約52万回

非金属歯冠修復(レジン):約2.9万回

金属歯冠修復(金パラ・銀合金):約57万回

非金属歯冠修復(レジン):約3.4万回

金属歯冠修復(金パラ・銀合金):約46万回

非金属歯冠修復(レジン):約2.5万回

CAD/CAMインレー:約8.6万回

金属歯冠修復インレー(金パラ・銀合金):約48万回

非金属歯冠修復インレー(レジン):約1.8万回

CAD/CAMインレー:約13.7万回

金パラの割合が減少している理由とは

金パラが減っている理由には、大きく2つの背景が考えられるでしょう。

金銀パラジウム合金の逆ザヤ問題

金パラを用いたインレーの材料料というのは、金パラの告示価格をもとに設定されるのですが、これは素材(金,パラジウム,銀)の価格変動によって改定されます。

金パラの素材においては、特にパラジウムの市場価格高騰が続いており市場価格が告示価格を上回る状態(いわゆる逆ザヤ)となっているので、金パラを使って銀歯を作ると、その分赤字が膨らんでしまうという構造になっているのです。

そして、この問題こそCAD/CAM素材が登場した背景となります。

CAD/CAMインレーの保険収載

2014年にCAD/CAM冠が保険適用となってから、その割合は年々増加していましたが、2022年にCAD/CAMインレーも保険収載となり、インレー市場にも大きな変化が起きました。

インレー市場全体の治療トータル回数は、年度によって多少の変動はありますが、おおよそ55万回〜70万回という統計データがあります。

従って、CAD/CAMインレーを選択する歯科医院が増えた分だけ、銀歯(特に金パラ)の治療回数が大幅に減少することとなりました

金パラはCAD/CAMインレーに置き換わるのか

2024年6月からCAD/CAMインレー製作時のみ、光学印象によるデータの受け渡しが保険適用となりました。これによって、今まで以上にデジタル化・CAD/CAMインレーシフトが進むと考えるのが一般的でしょう。

しかし、CAD/CAMインレーの割合が過半数を占めるのはまだまだ先となる可能性があります。その理由を詳しく解説します。

CAD/CAMインレーが増えない理由① 口腔内スキャナーの普及率が低い

この記事をご覧になっている先生方も、おそらくまだ口腔内スキャナーに手を出せていない方がほとんどなのではないでしょうか?

自費診療で口腔内スキャナーをゴリゴリと使用されている歯科医院は別として、保険診療のためだけに数百万円もするスキャナーを導入するのは、なかなかのハードルだと思います。

下のグラフは、口腔内スキャナーによる光学印象を保険請求するために必要な施設基準(#光印象)の届出を提出している歯科医院の割合です。

全国の歯科医院における割合
歯CAD届出済の医院における割合

はい、まだ8割以上の歯科医院で届出が未提出の状態なのです。

冒頭でご覧いただいたインレーによる歯冠修復時の材料シェアでは、CAD/CAMインレーが既に2割を超えてきていましたので、施設基準#光印象の届出が増えてこないことには、急激な増加は見込めないでしょう。

大森技工所では、口腔内スキャナーの導入支援も行っていますので、以下よりお気軽にご相談ください。

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CAD/CAMインレーが増えない理由② 自費セラミックの低価格化

これまで保険診療におけるインレー素材の割合について見てきましたが、インレー市場はもちろん保険診療だけではありません。

残念ながら統計データでは見ることができませんが、セラミック素材のインレーによる歯冠修復もかなりの割合で存在していると思われます。

今までの歯科治療において、セラミックというのは高額な料金を支払うことができる人だけの特権のようなものでしたが、ここ数年の間に、競合との差別化として「低価格自費診療」を打ち出す歯科医院も増えてきました。

歯科医院としては、やはり自費診療の割合を増やしていきたいと考えるのが当然なので、保険のCAD/CAMを取り入れる前に、まずは自費のセラミック料金を下げて様子を見る歯科医院が多くなるのではないでしょうか。

大森技工所では、補綴製作依頼を格安技工料で承っております。他院との差別化として、低価格の自費診療という選択肢を検討したい方は、以下よりお気軽にご相談ください。

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CAD/CAMインレーが増えない理由③ 委託先の選定基準が定まっていない

施設基準は提出したものの、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレーの委託先を決められず、結局ほとんど依頼していない歯科医院は非常に多いのではないでしょうか。

また、技工所によって価格や対応にも差があり、何を基準として選定するべきかわからない、というお声もよくいただきます…。

技工所というのは、広告や価格の表示に制限がありますので、ネットで検索してもなかなか比較検討が難しかったりもします。結局のところ、気になる技工所に問い合わせてみるのが一番早いのが現状です。

大森技工所が考える技工所選定ポイント
  • デジタル技工に特化している
  • 模型の受け渡しを宅配にしている
  • HPにお金をかけすぎていない

技工料のほとんどが人件費でした。デジタル技工では、その人件費を大幅に減らすことができるにもかかわらず、いきなり人員を減らす訳にもいかないという理由から、従来のやり方を続けている技工所は少なくありません。

また、削減できた人件費を技工料に還元するのではなく、HPなどにかけているところも避けたほうがいいでしょう。

★おすすめ技工所比較サイト:https://giko4.com

材料選択の今後

近年、口腔内の健康意識に呼応するように、審美性への意識も非常に高まってきました。今後は、今まで以上に銀歯を避ける傾向が強くなり、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレーの認知も広がってくるでしょう。

そんな中で、銀歯か高額なセラミックという二極化した提案になってしまっていると、保険のCAD/CAMや低価格セラミックを提供している歯科医院に患者さんが流れていくことは明らかです。

大森技工所では、そんな保険のCAD/CAMや低価格セラミックの導入を推進するため、補綴製作依頼を格安技工料で承っております。模型レスによる無駄のないデジタル技工を格安で導入したい方は、以下のボタンより今すぐにご相談ください。

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ここまでご覧いただき、誠にありがとうございました。以下の記事でもCAD/CAMインレーについてまとめていますので、是非ご覧ください。

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