(2026年6月施行)CAD/CAMブリッジの算定要件まとめ|光学印象の可否・点数・カルテ記載

令和8年6月1日より、CAD/CAMブリッジが保険適用となりました。5月29日付の留意事項通知(保医発0529第2号)と関連告示により、対象部位・点数・カルテ記載方法といった実務ルールも確定しています。

すでにCAD/CAM冠の施設基準(歯CAD)を届け出ている医院であれば、新たな届出なしで算定を始められます。ただし、CAD/CAM冠と同じ感覚で運用を始めると、つまずきやすいポイントが3つあります。

本記事では、施行後に確定したCAD/CAMブリッジの算定ルールを、押さえるべき順に整理して解説していきます。

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目次

CAD/CAMブリッジの算定要件(適応条件はかなり緩い)

CAD/CAMブリッジは、M017-2「高強度硬質レジンブリッジ」の所定点数を準用する形で保険収載されました。算定できる症例条件は以下の通りです。

CAD/CAMブリッジの算定要件

第二小臼歯または第一大臼歯の1歯中間欠損に対する、ポンティックを含む3歯ブリッジ(歯式では「④5⑥」または「⑤6⑦」)に算定できる。

・上顎・下顎の区別なし
・咬合支持の条件なし
・生活歯支台も可

注目すべきは条件の緩さです。従来の高強度硬質レジンブリッジ(HRBr)には「上下顎両側の第二大臼歯がすべて残存し、左右の咬合支持がある患者」という条件があり、支台歯も原則失活歯に限られていました。CAD/CAMブリッジにはこれらの制限がありません。

CAD/CAMブリッジ高強度硬質レジンブリッジ(HRBr)
対象部位④5⑥・⑤6⑦の3歯ブリッジ同様の1歯中間欠損
咬合支持の条件なし第二大臼歯残存+左右の咬合支持
支台歯生活歯も可原則失活歯
技術料3,000点(準用)3,000点(2,800点から増点)
Figure1. CAD/CAMブリッジとHRBrの算定条件比較

これまで条件に合わず金属ブリッジしか選べなかった症例の多くで、白いブリッジを保険で提案できるようになりました。

点数と算定例(1装置あたり約7,000点)

技術料はHRBr準用の3,000点、材料料は1,170点(11,700円)です。形成から装着までの関連点数を含めた全体像は以下の通りです。

項目点数
補綴時診断料90点
歯冠形成(生活歯・非金属冠)+ブリッジ支台歯形成加算796点/歯+20点/歯
印象採得(1装置)282点
咬合採得(1装置)76点
暫間歯冠補綴装置48点/歯
CAD/CAMブリッジ(1装置)3,000点
材料料1,170点
装着+内面処理加算1150点+110点
クラウン・ブリッジ維持管理料330点
Figure2. CAD/CAMブリッジの関連点数一覧

医歯薬出版の算定例では、生活歯支台の2日間モデルケースで合計7,191点が示されています。「レジン系ブリッジで3,000点では割に合わないのでは」と思われるかもしれませんが、装置単位で見れば金属材料の価格変動リスクを負わずに7,000点超を算定できる補綴治療であり、金パラ相場が高止まりする現在の環境では十分に合理的な選択肢です。

CAD/CAM冠と違う、3つの注意点

歯CAD届出済みの医院なら明日からでも始められる——そう考えたくなりますが、冠と同じ感覚で進めると3つの落とし穴があります。

① 光学印象は使えない(石膏模型が必須)

今回の改定でCAD/CAM冠には光学印象(口腔内スキャナー)が適用拡大されましたが、CAD/CAMブリッジは光学印象の対象外です。留意事項通知に「作業模型で間接法により製作された」ことが要件として明記されており、印象採得は通常の印象(282点)のみ。はい、ブリッジは今まで通り模型必須なのです。

冠・インレーはスキャンデータ送信、ブリッジは石膏模型の郵送——と、部位によってワークフローが分岐する点にご注意ください(出典: 茨城県保険医協会)。

② 使用材料は現時点で1製品のみ+ロット管理義務

新設の機能区分「CAD/CAMブリッジ用材料」に該当するのは、現時点でYAMAKIN「KZR-CAD ファイバーブロック シンボー」のみです(中医協・令和8年5月13日了承)。

さらに、材料名称やロット番号を記載したシール等を診療録に貼付して保存管理することが求められています。CAD/CAM冠にはない、ブリッジ特有のトレーサビリティ義務です。

③ カルテ・レセプトへの記載は「CAD Br」でOK

診療録および診療報酬明細書には「CAD/CAMブリッジ」と記載することとされていますが、通知上「CAD Br」との略記で差し支えないとされています。請求は明細書の「歯冠修復及び欠損補綴」欄で行います。

技工所への発注はどう変わるか

CAD/CAMブリッジの製作は、単冠と同じCAD/CAM工程に見えて、連結部の設計強度やファイバー芯材への配慮など、単冠とは異なる設計ノウハウが要求されます。製作要件の詳細は材料の電子添文で規定されているため、依頼先の技工所がブリッジ対応の設備・材料・設計体制を備えているかの確認が必要です。

当社(大森技工所)でも、CAD/CAMブリッジの製作対応に向けた準備を進めています。対応開始時期のご案内や技工料のお見積りなど、事前のご相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。なお、CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーは、スキャンデータ(光学印象)でのご依頼を含めて現在対応中です。

まとめ

  • 対象は「④5⑥」「⑤6⑦」のポンティックを含む3歯ブリッジ。咬合支持条件なし・生活歯OKと適応は広い
  • 歯CAD届出済みの医院なら、新たな届出なしで算定開始できる
  • ただし光学印象は不可。ブリッジだけは石膏模型のワークフローが残る

条件の緩さと金属価格リスクの回避を両立できるCAD/CAMブリッジは、保険の臼歯部ブリッジにおける第一選択肢になっていくのは間違いないでしょう。まずは「④5⑥」「⑤6⑦」に該当する中間欠損の患者さんから、白いブリッジの提案を始めてみてはいかがでしょうか。

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